2024年6月12日(水)から7月28日(日)まで、東京国立博物館 表慶館にて開催される「カルティエと日本 半世紀のあゆみ 『結 MUSUBI』展 ― 美と芸術をめぐる対話」は、世界的ジュエリーメゾンであるカルティエと日本との深い絆を紐解く、記念碑的な展覧会です。
カルティエが日本に最初のブティックを開いてから50年を記念し、メゾンと日本を結ぶさまざまなストーリーを紹介する本展は、左右対称の構造をなす表慶館を舞台に、カルティエと日本、そしてカルティエ現代美術財団と日本のアーティストという2つの絆を紐解きます。
展覧会の開催に先駆けて行われたプレスカンファレンスにて、カルティエ ジャパン プレジデント&CEO宮地純氏は、「展覧会名にある『結』は、美と芸術を巡り長きにわたりカルティエと日本の間で紡がれてきた多くの関係や、そこで育まれた数多くの創造的なコラボレーションを表すものです。カルティエと日本の関係や創作上の影響を紐解きつつ、過去から現在そして未来へと共鳴し合いながら繰り返される総称的な対話をご紹介いたします」とコメントを残しました。また、東京国立博物館 館長 藤原誠氏も、「カルティエの日本における活動50年の歴史と、アートへの取り組みを一度に集めて紹介する記念碑的な展覧会を開催できるということは、大変大きな喜びであります」と喜びを語りました。
本展が開催される表慶館の建物は、明治末期の洋風建築を代表する建物として重要文化財に指定されており、スタジオ アドリアン ガルデールによって施された装飾とともに、創業家3代目ルイ・カルティエの時代から日本文化がメゾンに与えてきた影響を約200点のアーカイブピースで辿ります。カルティエのイメージ スタイル&ヘリテージ ディレクターのピエール・レネロ氏は、「日本の芸術に影響を受けた個々の作品を超えて、カルティエのスタイル自体、つまりカルティエがすべての作品で使用する共通の言語が、日本の芸術から多くの面で影響を受けている」と指摘。「私たちが『美的語彙』と呼ぶもの、つまり日本から直接伝わってきた幾何学的な形であったり、特定の花や植物からのインスピレーションであったりします」と、日本文化が与えた影響の具体例を挙げました。
一方、表慶館左翼側ではカルティエ現代美術財団と国内外アーティスト16名による作品を通して、創造的な対話の軌跡が展開されます。カルティエ現代美術財団 インターナショナルディレクターのエルベ・シャンデス氏は、「財団の役割は、様々な分野の多様なアーティストと出会うことです。それは国際的で、開かれた存在です。人と人、アーティストとアーティスト、観客と観客を橋渡しし、さまざまな分野に飛び込みます」と財団の役割を語りました。
そして、2つの物語をつなぐ象徴的な作品として中央に展示されているのが、アーティストの澁谷翔氏による連作「日本五十空景」です。「空と新聞という日常にある普遍的なものも、違う目線で見れば美しい存在に変化できることを多くの人に知っていただければ良いなと思います」と澁谷氏。歌川広重の傑作『東海道五十三次』へのオマージュとして、47都道府県すべての空を描いた50点の絵画は、カルティエと日本の創造的な絆を見事に体現しています。
キュレーターのエレーヌ・ケルマシュテール氏は、「本展は、カルティエと日本、そして美と芸術をめぐる対話の旅へと私たちを誘います。過去から現在、そして未来へと続くカルティエと日本の特別な絆を目の当たりにできる貴重な機会です」と本展の見どころを語りました。
本展は、カルティエと日本の特別な関係を歴史的観点から辿るだけでなく、その絆がいかに現在のクリエーションに息づいているか、そして未来に向けて進化し続けるかを示唆しています。それは単なる過去の物語ではなく、深化を続ける創造的な対話なのです。美と芸術をめぐるカルティエと日本の旅は、時空を超えて過去から現在、そして未来へと続いていくのです。
カルティエと日本 半世紀のあゆみ 『結 MUSUBI』展 ― 美と芸術をめぐる対話
会期:2024年6月12日(水)–7月28日(日)
休館日:毎週月曜日、7月16日(火)*7月15日(月・祝)は開館
開館時間:9時30分–17時、金・土曜日は19時00分まで(入館は閉館の30分前まで)
会場:東京国立博物館 表慶館 〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9
観覧料:当日券 一般1,500円、大学生1,200円
前売券 一般1,400円、大学生1,100円
写真の提供: カルティエ © Cartier
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