渋谷スクランブルスクエアの展望施設「SHIBUYA SKY」が、アートエージェンシー「ヘラルボニー」とコラボレーションした新たな企画展を開催します。2025年1月16日から3月31日まで開催される本展は、「SKY GALLERY EXHIBITION SERIES」の第8弾。「PARADISCAPE」と題された展示では、知的障害のある作家たちが独自の視点で描いた世界が、渋谷の街を見下ろす空中回廊に出現します。
烏山シュウ氏の《ひろがる》を採用した展覧会キービジュアル
本展では、主に知的障害のある作家たちが独自の視点で描いた作品約50点が展示されます。これらの作品は、ヘラルボニーが管理する2,000点以上のアートデータの中から厳選されたものです。展示は46階の屋内展望回廊「SKY GALLERY」で行われ、作品と共に渋谷の街並みを一望できる特別な空間が創出されます。
展示は「アーバンサファリ」「群と移動」「境界のない世界」という3つのテーマで構成されます。「アーバンサファリ」では、都市と野生動物が共存する想像的な風景が展開され、SHIBUYA SKYでの展望体験からインスピレーションを得て制作された新作も含まれています。「群と移動」では、生き物たちの群れが織りなす美しい風景が、都市の人々の流れと呼応する作品が展示されます。「境界のない世界」では、大地、海、空を自由に行き来する生き物たちの姿を通じて、生命の輝きと自然界の驚異が表現されています。
注目の作家として、やまなみ工房の鳥山シュウ氏が本展のキービジュアルを手がけています。鳥山氏は、SHIBUYA SKYでの体験を通じて得た印象を、独自の世界観で表現しました。「渋谷46階から見た景色は特別なものでした。写真とは違う、ずっと遠くの空と街が自分の頭の中で空想とリアルでごちゃまぜになりました」と語る鳥山氏。その感動が、細やかで緻密な線の集合体による独特な表現となって結実しています。
小野崎 晶《わたしのゲルニカ》
田﨑 飛鳥《ウミウ》
また、自閉症を持ちながら家族の美容室で働く傍ら創作活動を続ける小野崎晶氏は、表情豊かな動物たちや色鮮やかな草花を画面いっぱいに描き出します。その作品には「あなたが笑顔でありますように」という願いが込められているといいます。東日本大震災を経験しながらも再び筆を取った田﨑飛鳥氏、繊細な線描で独自の表現世界を築くやまなみ工房の岩瀬俊一氏など、個性豊かな作家たちの作品が展示されます。
本展の全体監修とキュレーションを務める金沢21世紀美術館チーフ・キュレーターの黑澤浩美氏は、「境界のない自由でのびやかな表現に触れて、生きとし生けるものと自然も全てが、ずっと繋がっていることを感じていただければ」とメッセージを寄せました。豊富な国際展のキュレーション経験を持つ黑澤氏が、異彩作家たちの作品を通じて新たな視点を提示します。
ヘラルボニーの代表取締役/Co-CEOである松田崇弥氏と松田文登氏は、再開発により変化し続ける渋谷の景色の中に、これからの社会のあり方を見出そうとしています。「渋谷駅前のハチ公像が愛と絆の象徴として地上に存在するように、渋谷上空のSKY GALLERYには、異彩を放つ作家たちによって描かれた生命の息吹が力強く躍動します」と語る松田氏。本展を通じて、生命の普遍的な輝きと存在の根源を鮮やかに映し出すパラダイスが提案されます。
また、展覧会期間中はSHIBUYA SKY SOUVENIR SHOPにて、HERALBONYのアイテムも販売される予定です。通常のミュージアムグッズとは一線を画す、アーティストたちの作品を活かしたユニークな商品展開が期待されます。
SKY GALLERY EXHIBITION SERIES vol.8「PARADISCAPE」異彩を放つ作家たちが描くせかい
会期：2025年1月16日（木）〜3月31日（月）
休館日：2月18日（火）
会場：SHIBUYA SKY 46階 屋内展望回廊「SKY GALLERY」
参 加 方 法 :イベント当日の SHIBUYA SKY 入場チケット、もしくは年間パスポートをお持ちの方は、どなたでもご鑑賞いただけます。
チケット：12月19日（木）より順次販売開始
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