Pace東京では、ニューヨークを拠点とする著名アーティスト、アーリーン・シェケット氏による日本初の個展「信仰のその先」を開催中です。彫刻、ドローイング、タペストリーなど、多彩な素材を駆使した実験的なアプローチで知られるシェケット氏の作品群が、2フロアにわたって展示されています。本展は、知性を超えた感覚的な体験を提供し、シェケット氏の芸術言語の広がりを体感できる機会となっています。
Exhibiton view of Arlene Shechet’s Beyond Belief at Pace Gallery Tokyo
Image Credits: Keizo Kioku
世界各地で作品を発表してきたシェケット氏にとって、Pace東京での展示は日本初となります。2階建ての展示空間について、彼女は「制限というよりも、独創的なソリューションを生み出す挑戦」としてとらえ、フロア間の作品の流れを丁寧に構成。「この空間はとても特徴的です。他の展示とは全く異なる、特別なものになるでしょう」と語ります。
約20年にわたる作品群を通して、シェケット氏の個人的で有機的な創作プロセスの一端を垣間見ることができます。展示のために作品を作るのではなく、日々の制作の中から直感的に作品を選び出すという彼女のアプローチは、まさに旅のようです。「私は特定の展示のために制作することはありません。毎日制作を続け、展示が決まったら、その空間に合わせて作品を選び、編集していきます」
シェケット氏にとって、インスピレーションはボールにつまずくような日常の出来事から自然界の観察まで、あらゆるところに存在します。特に東洋哲学、とりわけ仏教や日本の「間」の概念から深い影響を受けた彼女の制作は、存在と直感に根ざしています。ジョン・ケージやフィリップ・ガストンのように、芸術も人生も「知らない」状態から生まれる発見を受け入れる禅的なアプローチを重視しています。
シェケット氏の作品は、固定的な意味を持たず、鑑賞者それぞれの解釈を歓迎します。「観客は私の作品を完成させる上で不可欠な存在です」と語る彼女は、東京の観客との対話を通じて作品の意味が紡ぎだされることを期待しています。Pace東京での「信仰のその先」展は、アーリーン・シェケット氏の芸術における「未知なるもの」との出会いと繋がりを体験できる貴重な機会となっています。
Exhibiton view of Arlene Shechet’s Beyond Belief at Pace Gallery Tokyo. Image Credits: Keizo Kioku
アーリーン・シェケット:信仰のその先
会期:2024年11月1日ー12月21日
会場:Pace ギャラリー
(東京都港区虎ノ門5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA1・2階)
開館時間:11:00-20:00
休館日:月曜日
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