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Gen de Art

フィリップ男爵時代の幕開けから100年 –ジェラール・ガルーストが飾るシャトー・ムートン・ロスチャイルドの2022年ヴィンテージ記念ラベル


シャトー・ムートン・ロスチャイルドは2022年ラベルの作品制作をフランス人アーティスト、ジェラール・ガルースト氏に依頼しました。シャトー運営がフィリップ男爵の采配に委ねられることとなる、男爵時代の幕開けから100年。2022年は記念すべき節目の年となりました。1988年にこの世を去った男爵の願いを尊重し、これまで100年の歴史を称える作品となっています。


《フィリップ男爵へのオマージュ》 - ムートン・ロスチャイルド2022年、ジェラール・ガルーストがラベル作品を担当 

《フィリップ男爵へのオマージュ》 - ムートン・ロスチャイルド2022年、ジェラール・ガルーストがラベル作品を担当 


1922年、フィリップ・ド・ロスチャイルド男爵がムートン・ロスチャイルドの運営のトップに就任しました。シャトー現代史の礎が築かれたこの年を記念して、ジェラール・ガルースト氏は独自の象徴的かつ幻想的な手法でムートン・ロスチャイルドに秘められた意味と価値を描き出しています。作品中央にはムートンの正面ペジメント、その両脇には男爵の肖像画と、かの有名な牡羊が飾られています。


ジェラール・ガルースト氏は作品を制作するにあたって、ジュリアン・ド・ボーマルシェ・ド・ロスシルド氏との対話、そして男爵を捉えた貴重な写真の数々から多くのインスピレーションを得たと言います。アーティストのメモ帳に残された下絵の数々。牡羊をともなった男爵の肖像画、ペジメント、ぶどう。象徴となるモチーフは直ぐに定まり、ガッシュで描かれたこの作品には「Hommage au Baron Philippe(フィリップ男爵へのオマージュ)」のタイトルが添えられました。


「ジュリアン・ド・ボーマルシェ・ド・ロスシルドさんとの対話は実にインスピレーション溢れるものでした。多くの写真や絵画を拝見しながら、彼のお祖父様が辿った人生に強く惹きつけられました。そして、フィリップ男爵の顔立ちに心を奪われました。描くべきモデルに迷いはなく、その優雅な立ち居振る舞いは、わたしを魅了するに十分でした。抜群にエレガントで、何事に対しても精力的で。表情には常に自信が満ち溢れ、同時に茶目っ気も失わない。男爵の魅力のすべてを肖像画に表現することに努めました。ギリシャ神話だけでなく、聖書の世界にも登場する牡羊がシンボルマークとして選ばれた点に強く興味を引かれました。正面ペジメントはムートン・ロスチャイルドの目印です。そして、ぶどうの実。ぶどうは男爵が残した名作、優れたワインの象徴に他ならず、忘れるわけにはいきません。壮大な歴史とワインへの畏敬の念、そして、恵み豊かな自然へのオマージュとして、このラベル作品を描きました」。


ジュリアン・ド・ボーマルシェ・ド・ロスシルド氏は、シャトー・ムートン・ロスチャイルドの共同オーナーであり、同シャトーの文化芸術事業を担当。新ヴィンテージのラベル作品を制作するアーティストとの関係構築をマネジメントしています。


「ジェラール・ガルーストの作品はひとつの紋章として捉えることができます。つまり、解読作業を要します。牡羊、シャトー・ムートン・ロスチャイルドの正面ペジメント、フィリップ男爵の肖像画。これら3つの強力なモチーフで構成されています。すべてのはじまりはひとつの出会いから。フィリップ男爵とペジメントの出会い。ペジメントはムートンの目印。この出会いの中に生まれたのが牡羊というシンボル。いずれをも超越し、いずれをも象徴します。フィリップ男爵の星座でもあり、ムートン・ロスチャイルドの直訳であり、みなぎるエネルギーと活力の象徴でもあります。この作品ひとつでメタモルフォーゼの物語を伝えているかのようです」。


Julien de Beaumarchais de Rothschild and Gérard Garouste on either side of the painting as it is being created in the artist’s studio

アトリエにて制作中のラベル作品を囲むジュリアン・ド・ボーマルシェ・ド・ロスシルド氏とジェラール・ガルースト氏


ジェラール・ガルースト

フランス絵画界の重鎮アーティスト、ジェラール・ガルースト氏は世界のアートシーンでも独自の地位を築いています。ガルースト氏は「イメージと言葉を解読する」作業に徹し、文化の根底をなすもの、過去の巨匠らが残した価値や神話について強い関心を抱いてきました。また、ものごとの起こりや歩んだ歴史、それらを継承する行為そのものについて常に問い続けてきました。様々な思考の組み合わせから生まれる彼の絵画作品は、時に不気味で、時に陽気で、時には空想上の動物やデフォルメされた人物で埋め尽くされています。旧約聖書や大衆文化のほか、セルバンテスからラブレーまで、文豪たちの名作文学の数々。ガルースト氏が扱うテーマの出典は実に多岐にわたります。


1946年生まれの彼は、フランス・ノルマンディーとパリに拠点を構えながら活動を展開しています。1965年から1972年までパリ国立高等美術学校で学び、ギュスターヴ・サンジエに師事。1977年にはクラブ「ル・パラス」にて、自ら脚本・演出・舞台装飾を担当した『Le Classique et l'Indien』を上演。なお、1982年まで、同クラブの展示デザインおよび美術担当アーティストとして活躍していました。1980年、具象的、神話的、寓意的作品を集めた初の展覧会をパリのデュラン・デセール画廊にて開催。これを機にフランス国内外から高い評価を得るようになります。ガルースト作品は世界各地(米国、日本、ドイツ、南米、イタリア)のアートスペースで展示され、パリの国立近代美術館(ポンピドゥー・センター)や市立近代美術館、ウィーンのルートヴィヒ財団近代美術館をはじめとする、多くの有名美術館に収蔵されています。また、パリ・エリゼ宮やエヴリ大聖堂、ナミュール劇場、モンス市庁舎、ノートルダム・ド・タラン教会、パリ・シャトレ劇場の緞帳など、公共施設への作品受注に数多く対応してきました。


2009年にはジュディット・ペリニョンとの共著『L'Intranquille』を出版。同書は発売当初から大きな注目を集めました。ガルーストはその他にも『Don Quichotte』や『La Haggada aux quatre visages』など、美術書や聖書関連書籍に多数の挿絵を提供しています。2017年にはジョルジュ・マチューの後任としてフランス芸術アカデミー会員に選出され、2019年にはフランス国家功労勲章コマンドゥールを受章しています。


ジェラール・ガルースト

ジェラール・ガルースト氏


ジェラール・ガルーストの特別展は、デュッセルドルフ美術館、アムステルダム市立美術館、ウィーン・ルートヴィヒ財団近代美術館、ヴィラ・メディチ/在ローマ・フランス・アカデミー、マーグ財団美術館、モンス美術館、国立近代美術館/ポンピドゥー・センターで開催されました。1991年には「La Source Garouste協会」を設立し、以来、困難を抱える子ども・青少年をアート活動を通じて支援する活動に精力的に取り組んでいます。


Les Sauveteurs en Mer – SNSM活動支援チャリティーオークション開催

2022年ヴィンテージは、フィリップ・ド・ロスシルド男爵時代の幕開けから100年の節目を迎える記念すべき年。フィリップ男爵は1928年、セーリング競技でフランス選手団メンバーとしてオリンピックに出場しました。1937年にはセーリング・レガッタ競技のフランス杯で優勝を果たしています。海を愛した男爵へのオマージュにふさわしい特別オークションです。


バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド社は、シャトー・ムートン・ロスチャイルド2022年のワインラベル作品発表に合わせて、オンライン特別チャリティーオークションを開催します。クリスティーズ社との提携により開催される本オークションの収益金は、フランス国内および海外領土における海難救助にあたる非営利団体「Les Sauveteurs en Mer – SNSM(ソーヴター・アン・メール)」に寄付されます。同協会は、海岸部および沖で発生した海難救助要請のいずれにも対応可能な、高度な知識と技術を有する唯一の組織です。フランス国内および海外領土に206ヵ所の救助支局を設け、1万1,000名のボランティアが活動しています。加えて、32ヵ所の研修訓練施設を運営し、また、229ヵ所の海水浴場でライフガードサービスを提供しています。


今回は特にPort-Médoc支局の活動支援を目的とし、具体的には、同支局に新たに配備された遠洋救助船へ情報通信装置を設置する費用に役立てられます。救助船自体、船員の安全確保、監視活動・パトロールなど、海浜および海上におけるあらゆるタイプの捜索救助任務に最適な設計の船舶です。新たな情報通信装置(自動運航機能、赤外線カメラ、ソナー、海図リーダーなど)を活用することで、さらなる安全運航と救助活動の迅速化・最適化につながり、救助任務にあたる部署間・組織間の連携能力の向上も期待できます。


今回出品されるアイテムは、ボルドーにおける傑作年として評価の高い、シャトー・ムートン・ロスチャイルド2022年。異なるボトルサイズのワインで構成される特別ロットです。ラベル作品アーティストおよびロスチャイルド家メンバーの直筆サインがラベルに入るダブルマグナム1本のほか、750mLボトル6本、マグナム3本、アンペリアル1本、そして現在購入可能な唯一のナビュコドノゾール1本を含む。また、本オークションならではの体験ギフト2点も用意されています。


また、落札者本人と同行者3名を、シャトー・ムートン・ロスチャイルド2023年ヴィンテージのラベル作品お披露目パーティーに招待することを発表しました。同パーティーにはロスチャイルド家メンバーはもちろん、ラベル作品アーティストも出席します。その際にはシャトー・ムートン・ロスチャイルドのプライベート見学とともに、ワインのテイスティングを楽しむことができます。さらに、落札者本人と同行者3名を国際的ヨットレース「Sail GP」にも招待します。そこでは、VIPラウンジでのおもてなしと特別席でのレース観戦を楽しむことができます。本オークションは11月26日〜12月11日の期間に開催されます。


芸術とワインラベル – シャトー・ムートン・ロスチャイルド

フィリップ・ド・ロスチャイルド男爵は、シャトー・ムートン・ロスチャイルドを芸術と美を象徴する空間に整備することを熱望しました。1945年以来、シャトー・ムートン・ロスチャイルドのワインラベルには毎年異なる現代画家のオリジナル作品が飾られています。サルヴァドール・ダリ、セザール、ジョアン・ミロ、マルク・シャガール、パブロ・ピカソ、アンディ・ウォーホル、ピエール・スーラージュ、フランシス・ベーコン、バルテュス、ジェフ・クーンズ、デイヴィッド・ホックニー、アネット・メサジェ、オラファー・エリアソン、ピーター・ドイグ、塩田千春などスタイルも出身も様々な、錚々たるアーティストが名を連ねる、極めて貴重な現代アートのコレクションが形成されています。


1981年には「L'Art et l'Etiquette(芸術とワインラベル)」と題する原画展がフィリピーヌ・ド・ロスシルド夫人によって企画・開催されました。2013年以降、これらの作品はシャトー・ムートン・ロスチャイルド敷地内の常設展示スペースにて鑑賞することができます。


 

Château Mouton Rothschild


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