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Gen de Art

現代美術フェア「ART OSAKA 2024」気鋭作家の秀作一堂に会し開かれる

現代美術の秀作が一堂にそろうアートフェア「ART OSAKA 2024」(主催・一般社団法人日本現代美術振興協会 | APCA)が7月18-22日の5日間、大阪市中央公会堂など2拠点3会場で開催されました。今回で22回目となる歴史ある同フェア。ブース形式の「Galleriesセクション」と大型作品やインスタレーション等に特化した「Expandedセクション」で、アーティストたちの感性が光りました。


ART OSAKA 2024_Galleries 会場風景  撮影:待夜由衣子

ART OSAKA 2024_Galleries 会場風景

撮影:待夜由衣子


近代建築美の大阪市中央公会堂に45ギャラリーから秀作そろう

「Galleriesセクション」では、ネオ・ルネッサンス様式を基調とした近代建築の美しさを持つ大阪市中央公会堂(国指定重要文化財)を会場に、国内外の45ギャラリーが出展。壮麗な空間の中で作品たちの響演を体感できます。


中でも、関西の戦後美術を代表する作家、木下佳通代氏の作品が注目を集めました。木下氏は観念的な写真作品、ドローイング、油彩画など多様な手法を用い「存在とは何か」を追求し続けました。特に、二つの円が交差する作品は、木下氏の深い美的哲学に触れさせてくれる一例です。


また、海外からの出展として、台湾の写真家、沈昭良(Chao-Liang SHEN)氏は《漂流》シリーズで台北市の海辺を写した作品を出展。繊細かつ抒情的な雰囲気で魅了しました。


大型作品・インスタレーション アーティスト21組が独自空間

一方、大型作品などに特化した日本初の試みとして始まり、今年で3年目を迎えた「Expandedセクション」では、21組のアーティストとともにサイトスペシフィックなフェアが展開されました。


この中で特筆すべきは、西野康造氏の作品です。米・ニューヨークの世界貿易センタービルエントランスホールに作品を設置するなど国内外で活躍する彫刻家である西野氏は、今回、地球を見下ろしながら自由に歩き回れる成層圏をイメージした意欲作「宙に架かる2020」を展開しました。奥行60メートルの巨大空間に、チタン合金を素材とした巨大な円環(直径7.2メートル)を置き、独自の空間美に見る人をいざないました。


さらに、40年以上にわたりニューヨークに住む松田幹也氏は、1992年にニューヨークの路上で行ったパフォーマンスを再解釈。1セント硬貨1万枚を1枚ずつ並べ、「単純な繰り返しの行為そして継続」から生まれる「大いなるエネルギー」を表現しました。


ART OSAKA 2024_Yoshimi Arts

撮影:待夜由衣子


ART OSAKA 2024_YOD Gallery

撮影:待夜由衣子


ファーストコレクションの場、自らの豊かな感性を養う機会に

「ART OSAKA 2024」はまた、著名作家から新進気鋭の若手作家まで、魅力的なアーティストの作品がさまざまな価格帯で取りそろえられ、会場を訪れた多くの人たちのファーストコレクションの機会にもなりました。アートの購入は、感動や新たな視点を得るとともに、コレクター自身の個性や好みを反映すること。作品を所有すること自体、自己表現の手段となり、豊かな感性を養う機会に繋がるのです。

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